キレイな家を目指したい

物臭だけどキレイな家に住み続ける方法を模索しています

「片付けられない」ということ

 昨日、母が「実家を片づけてみませんか?」という番組を見ていました。たまたまチャンネルをいじっていたら見つけたのだろうけども、こういう類の番組を見ている時の母は嘲笑気味に「なんで片付けられないの」「うわー汚い」「まだゴチャゴチャしてる」「あれで片付いたの」「全部捨てればいいのに」というセリフを使い回しのように繰り返すので、私は心底げんなりするのです。

 かつて私はそれら全ての言葉を攻撃的に浴びせられながら生きていました。勝手に部屋に入られ、片付けられ、物を捨てられてきた事を思い出します。今思えば母の行動は「やりすぎ」だと思うし、「頭おかしい」「病気だ」「病院行け」「キ○ガイだ」「目見えてないのか、メ○ラか」とまで罵倒される必要はあったのだろうかと疑問に思います。

 当時の私は嫌がりながらも散らかしている自分が100%、いや1000%悪いんだと思っていました。以前のブログを見たら「1000000%悪い」と書いてましたね。そこまでか。そして勝手に片付けられても自分が悪いのだから仕方ない、むしろ片付けてくれた母に感謝すべきなのではとさえ思っていました。まぁ実際悪いし、片付けてくれた事そのものには感謝すべきだという気持ちは変わりません。だけどそのような罵倒までをも受け入れられるかといえばそんな事は全然無くて、グサグサと心に刺さったまま抜けず、今までずっと私を蝕んできたんだと思います。自分に全く自信が持てず、自分は何をやってもダメなんだと卑下してばかり。

 番組に出てきた部屋は最後のものしか見ていないけども、かつての夫実家よりは遥かにマシなレベルだと思います。大丈夫大丈夫、余裕で片付くよという印象。時間さえ掛ければ、私なら一人でも片付けられるレベル。何ならタンスだって解体するよ、くらいの勢い。ただ遺品は思い出の塊なので、片付けられるかどうかは人によるだろうなぁと思います。かえって業者に頼んだ方が良いのかもしれません。

 ちなみにかつて私が実家で暮らしていた頃どのくらい散らかしていたかというと、番組で見たその部屋より遥かにマシでした。それにもかかわらず「豚小屋の方がまだキレイだ!」と散々罵られていたのが腑に落ちません。母に「私あそこまで散らかしてなかったのに病院行けとか罵られてたんだけど」と言ったら、「いやそうだけど、あの時はねー(笑)」と言っていたので、私の記憶が捏造をやらかしたわけでもないようです。でも「悪い事したね」とか「酷いこと言ったね」なんて言葉が出てくるわけでもありません。母はそういう人です。

 母は否定すると思うけども、親に褒められた事など勉強以外ではほとんどありません。基本的に「こんな事も出来ないのか」と馬鹿にされている記憶の方が多いです。今思うと、私だけが面と向かって罵倒されてきたような気がします。夫実家の惨状を見て呆れてはいたものの、頭おかしいんじゃないのまでは言ったりしなかった。いやそれはさすがに気を遣って言わないだけじゃ……とも思うけど、兄の家がものすごく散らかっていたり、だらしがない状態でも、兄にも(旧)兄嫁にもそんな事を言ったりはしなかった。帰ってきてから私が散々文句を聞かされる羽目になっただけ。仮にそれが兄じゃなくて私だったら毎度定番の「頭おかしいよ、病気だ病気」という言葉が出てくるだろうに、そういった言葉は全然出てこなかった。ああ、こういうの「サンドバッグ」って言うんじゃなかろうか。私はストレス解消に罵られていただけじゃなかろうか。

 勿論、母だって四六時中怒っていたり罵ってきたわけじゃない。中学生くらいまでの記憶なら、一部「役立たず」と言われた記憶と兄がアレだったという記憶以外は、それなりに普通だったと思う。過剰に優しいという事も無いけど、普通だった。おかしくなったのは高校に入るあたり、兄が失踪してからだ。兄が失踪してから借金の取り立ての電話があったり、元カノの親から毎晩のように恫喝の電話が続いたり、兄の尻拭いで奔走したりなど色々苦労していた。それに加えて、家を建てたので私が高校を卒業するまで二重生活。定年間際で組んだローンなので後々支払いに苦労する羽目になるなど。今思えば大変なのは分かるけど、それ、大体は私に関係無い事だ。

 兄がアレで私まで信用してもらえなくて変な目で見られて、って、それが自分の親なんだから苦しかったよ。二重生活も大変だったよ。地元の大学しか許されず受験失敗して、予備校も辞めて家にいるだけだとますます怒られるだろうと思ってバイト始めて、結局大学諦めて、バイトは続けても「そんな仕事やめちまえ」と罵られて、どんなに頑張ったって「世の中の人間は働いてるんだからね!」と罵られて、苦しかった。父は何も言わなかったが、私を肯定する事もなかった。後から知ったのは「なんで女に金を掛けなきゃならないのか」と、私が進学するのを否定していたという事だ。結婚する時も祝福の言葉なんかほとんど無かった。別に欲しかったわけでもないが、開口一番「騙された」なんて言われたら耳を疑うだろう。疑ったよ。オマエは変わり者だから結婚なんかしないと思った、そう言われてるような気がした。いや実際似たような事は言われていたが、その「変わり者」に成り果てた経緯を、母は知らない。付き合っているだの何だのと口が裂けても言えないような状況を作り出したのは、母だ。私の事を信用してくれなくて、変な目で見て、私を傷付けたのは母の言葉の数々だ。あ、いや、片付けの話とは関係無くなってきたのでストップ。

 「なんで片付けられないんだろうね」という言葉。母は単に「片付けられないダメな奴」と言いたいだけなので、それ以上掘り下げる事はありません。だけど片付けられない事には何かしらの理由があると、私は思います。片付け方が分からない、面倒臭くて行動に移せない、物が捨てられない性格、無気力、認知症など……ケースバイケースなので、解決策なんて簡単に出せないんですよね。だから社会的にも問題になるんだと思うし、頭ごなしに「おまえはダメな奴なんだ」と言ったり馬鹿にするのは、なんか違うなという気がします。

 とはいえ、綺麗事で済むような話ではないです。私だってそう思いながらも夫実家に対して苛立ちを隠せなかったりします。ゴミ屋敷を「シカタナイネー」と放置するわけにもいかないのです。難しいですね、本当に。