キレイな家を目指したい

物臭だけどキレイな家に住み続ける方法を模索しています

物に執着する成れの果て

 布団の記憶が吹っ飛んだ夫祖母。夫伯母達が宥めた(んだか何したんだかは知らん)おかげで、数日は大人しくなりました。が。今度は「着る物も無い!」と大騒ぎ。「いや、ばーちゃん今服着てんじゃん」というツッコミは心の中に仕舞っとくとして、もう大変ですよ。夫母が捨てた、あるいはどこかに持って行ったと思い込んでるし。いや捨てる素養あるのは夫母じゃなくて私なんスけど。あと口が悪いのも私だし、性格悪いのも私だよ。相変わらず夫祖母ワールドでは夫母が「ババア!」って言うらしいから。新たに「殴られた!」というのも加わったから。どうなってんだかね、ばーちゃんの頭の中。

 まぁ昔散々嫁いびりしてきたそうなので、その辺もなんかあるのかもしれないよね。自分が年取って衰えてきたから仕返しされるかもしれないとか、深層で思ってるとか。なんかね、夫母に対して「言いつけてやる!」とか言うんだそうですよ。誰にって、夫祖母からしてみれば小姑にあたる人に。なんかもうめんどくせーなというのが本音だけども、そういう「嫁として云々」というのが、夫祖母の中ではこびりついちゃってんだろうよね。多分、大昔は夫祖母も小姑である大ババ様達にいろいろ「指導」されたんじゃね? あのアレだもんなー。今の夫伯母達より、やかましいし神経図太いし、デリカシーなんかねーですもん。昔はみんなそんなもんだったなんて信じないよ、だって夫母方の大ババ様達は全然そんな事無いし。いやホント、対極に位置するって感じだもんな。

 夫に話を聞くと、昔は物というよりはお金に執着してたんだそうな。稼ぐ事こそ全て、財産を築き上げる事こそ全て、という感じだったのかなぁ。でも今は金銭の管理は夫叔母がやってるみたいだから、自分で唯一自分の財産だと自覚出来るのが「物」だったと。だから「財産イコール物」になっちゃった。いやそりゃ物は普通に財産なんだけども、夫祖母の場合、ゴミだらけの納屋の中身ですらも「宝の山」と言い、捨てさせなかったわけだ。「宝の山」って冗談でも皮肉でも何でもなく、ほぼ本気で言ってたわけか……。

 別に土地が消えたわけじゃない。地震で文字通り傾いて、水害で浸水して更にカビ臭くなった家も新しく立派になった。でも、夫祖母からしてみたら「着る物すら無い」と思い込むくらいの喪失感だったんだろうな。体が衰えて農作業も満足に出来ない今、己の存在価値を示すものは、かつての「物」だけ。「物」こそ生きてきた証。それすらも失ってしまった*1。そして混乱。夢と現実が入り乱れる夫祖母ワールドが出現したと。という筋書きでどうですかね。ダメですかね。

 でも、だからって物をそのまま残すなんて選択肢は無かったですよ。それこそ、このブログのメインテーマとも言えるものでしたもん、夫実家の物をどうにかしたい! ってのが。もうね、「隅っこに残しておけばいい」なんてレベルじゃないもの。残すには、あまりにも酷過ぎるレベルだったもの。

 

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 そういやこんな写真撮って忘れてたんだけども、これ何だと思います? 豚肉「だった物」ですよ。もう冷凍焼けとかそんなレベルじゃない。水分飛んでカッチカチ。一体何年物なのかも分からない。こんなのが納屋の中の冷凍庫の中から出てきて、夫母曰く「全部おばーちゃんの物」、つまり捨てるに捨てられず放置されてたんですよ。この他には大量の干し柿(だったもの)とか大量の保冷剤とか食用菊らしき物体とかがギュウギュウに……捨てましたとも、そりゃもう「新しい冷凍庫に入らないから」という大義名分の下、捨てましたとも。

 だからね、ホント、あのね、物に執着するの、やめよ? 夫祖母まで高齢になっちゃうともう意識を変えろというのは無理になっちゃうから。もう見ていて可哀想な気持ちになるんだよ。本人は本気でどこかに持って行かれたと思い込んで、すごく必死なんだよ。捨てられたんじゃなくて、どこかにあると本気で思い込んでるんだよ。ホントそういうの、見てて辛い。そしてそんな現実に存在しない物で怒られ責められる夫母を見るのは、もっと辛い。もうね、誰も幸せじゃない。これが物に対する執着の成れの果てですよ。気を付けましょうね、ホントに。

 

 

 

*1:別に全部処分したわけじゃないのだけど